新設法人向け情報

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回答一覧

  • Q1. 法人を設立する前に…

    A1. 法人を設立しようとするときは、諸々の事情や条件を考慮した上で、様々な事柄について検討する必要があります。

    新規法人設立前の要検討事項
    ○法人成りのタイミング
    …公証人の認証を受けた定款をもって、登記所(法務局)へ登記申請書を提出した日が「法人設立の日」となります。
    ○本店所在地をどこにするか?
    ○商号や事業目的を何にするか?
    ○法人設立にかかる費用と法人種類をどうするか?
    ○消費税申告への影響も考えて会社成立日と決算期をどうするか?
    ○資本金の額の検討
    ○株主構成や役員等を誰にするか?
    ○法人化に伴い個人にかかる税務問題(所得税・消費税・事業税等)
    ○社会保険・労働保険加入、許認可関係の確認
    ○法人設立手続きをどこにお願いするか?
    ○税理士に相談するか?
    ○各種助成金の検討

    これらすべてを一人で決めるのは非常に困難です。
    後に様々な不都合が出て手遅れにならないように、一人で抱え込まずに、法人設立前の時点で一度身近な税理士にご相談されることをおすすめいたします。

  • Q2. 税理士をいつ探せばよいか?

    A2. 結論としては、「法人を設立しようと具体的に考え出したらすぐ」です。

    日本の法人の9割に税理士が付いていると言われており、税理士抜きで会社を経営することは実質的に不可能です。では、いつ税理士を探すのがよいかというと、「設立前」、「設立後すぐ」、「最初の決算時」等、悩むところでしょう。

    いざとなれば税務署に助けてもらおうと考える方もいますが、税務署は、分かりやすく言えば取り締まる機関で、応援は期待できません。決算前になって慌てて会計事務所の門を叩いても、準備期間の少なさ等から、引き受けてもらえないということもあります。

    また、税務官公庁への届出関係書類の中には、期限が設定されているものもあり、税務上の有利・不利だけでなく権利の部分も失いかねませんので、早くから税理士等の助言を得つつ、計画的に手続きを進めることが大切です。

    あらかじめ(または設立後すぐ)税理士と打ち合わせるべき事項
    ○「新規法人設立前の要検討事項」について
    ○会社設立後の税務官公庁への提出書類について
    ○役員給与の設定や支給方法等の注意点
    ○設備投資や資金繰りに関する検討(融資等)
    ○請求書の作成時の注意点や保存・整理方法について
    ○日々の記帳や帳簿の作成、領収書の保存について
    ○減価償却資産の購入や費用計上の注意点(接待交際費等)
    ○代表者等の個人との金銭の貸し借り、資産の貸し借り、個人財産の譲受けについて

  • Q3. アウトソーシング

    A3. アウトソーシングとは、本来なら自社で処理すべき業務を、外部の専門性の高い会社に委託することを言います。

    多くの市場で厳しい競争が続く中、例えば数人単位の小規模の事業所であっても、ビジネスマッチングサイト等を使って、積極的にアウトソーシングを活用するところが増えています。

    ビジネスマッチングサイトとは、ウェブ上で仕事を依頼したい、又は請負いたい企業や個人をマッチングさせるサイトを指し、無料登録すればすぐに利用できるものもあります。

    対象業務は多岐に渡り、経理・財務・人事業務、営業、チラシ・パンフレット等の印刷物作成、HP開設やシステム開発、キャッチフレーズやロゴマークの作成、データ入力、翻訳等々…、それらの全部または一部を、簡単な手続きで外部委託することができます。

    他にも、アウトソーシングを利用することで、人件費・開発費等のコストや、作業スペース等の節約だけでなく、本来の業務に集中できる、また社外の高度な専門スキルを取り入れることができる等、大きなメリットがあります。

    こちらもご覧ください ⇒ 「アウトソーシング」

  • Q4. 同族会社の役員給与『定期同額給与』

    A4. 「定期同額給与」(役員報酬) の定義・・・!
    「支給時期が1月以下の一定の期間ごとに支給する給与で、その事業年度中の各支給時期における支給額が同額である給与」です。
    問題はその許される“改定時期”で、次の3つに限定されています。

    1. 『通常改定』
    「事業年度開始後3ヶ月以内にされる改定」を言います。
    “される”というのは、通常は株主総会の決議を指しますが、株主総会で役員給与の“支給限度額”を定め、各人別の支給額を取締役会で決議する場合は、事業年度開始後3ヶ月以内に行われた“取締役会の決議”を指します。(取締役会で決議せず、代表取締役に一任することも可能。)
    また、「3ヶ月以内」と規定されていますが、決して「定時株主総会」とは規定されていませんので、事業年度開始後3ヶ月以内であれば、定時株主総会ではなく臨時株主総会を開催して改定することも可能です。
    3ヶ月目に決議して、4ヶ月目の支給時期から改定する方法でも問題ありません。

    2. 『臨時改定』
    その事業年度において“役員の職制上の地位”の変更、その役員の職務の内容の重大な変更、その他これらに類するやむを得ない事情を「臨時改定事由」と呼び、それに該当する場合には定時改定の時期以外での改定も許されます。
    ただ、公式見解として例示されているのは──
    a. 社長退任により副社長が社長に就任
    b. 合併や分割に伴う職務内容の大幅な変更
    c. 病気で入院し職務執行が一部できないため入院期間のみ減額するケース
    d. 会社やその役員が不祥事等を起こした場合
    ──です。

    「定期同額給与」の注意点
    定期同額給与の要件は、「各支給時期における支給額が同額」であり、支払いが同額であることまでは求められていません。
    従って、資金繰りの関係で役員給与の一部が未払いとなっていても、未払い処理によって 支給額が同額になっている限り、定期同額給与は認められます。

  • Q5. “事前確定届出給与”を知ろう!

    A5. 「事前確定届出給与」の定義や特徴
    『定義』
    「所定の時期に確定額を支給する旨の定め」に基づいて支給する給与。
    税務署に事前に届出をすることで、役員にボーナス(賞与)を支給したとしても全額損金算入することができる制度です。
    従来は、毎月定額の役員報酬のみ損金算入で、役員に対する賞与は、利益処分としての位置付けから損金算入とする余地はありませんでした。

    『特徴』
    届出の期間や手続き等が厳しく定められています。
    そして、もし実際の支給がその届出と少しでも異なっていたら、基本的にその役員に係る事前確定届出給与が全額(定期同額給与の部分は別として)損金不算入になってしまうのです。

    「事前確定届出給与」の対象者
    役員給与として損金算入される範囲が規制されるのは、“法人税法上の役員”に該当する場合です。
    つまり、「『使用人兼務役員』の使用人部分以外」や「役員ではないが特定株主で経営に従事している『みなし役員』の給与」についても、役員給与としての規制がかかっていることから、逆に事前確定届出給与として届出ることによって損金算入することが出来るのです。
    また、同族会社の非常勤役員などに年払いや半年払いなどで報酬を支払う場合も、事前確定届出給与を活用することで損金算入とすることができます。

    「事前確定届出給与」の手続き
    一般的に、役員給与は定時株主総会から次の定時株主総会までの間の職務執行の対価であると考えられることから、基本的には定時株主総会の決議により、向こう一年の役員給与が決定されます。
    事前確定届出給与を設定する場合も、通常は定時株主総会で行います。
    ただ、それよりも前に開催する臨時株主総会で決議することも想定して、届出の提出期限は「株主総会等で決議した日から1ヶ月を経過する日(但し、遅くとも事業年度開始の日から4ヶ月以内)まで」となっています。

    手続きに関する注意点
    (1)株主総会では役員給与の総額だけ決議し、個々の役員に対する支給額等については、取締役会に委任したり、代表取締役に一任したりすることも許されています。事前確定届出給与についても、これと同様の手続きで構いません。
    (2)新設法人については設立の日から2ヶ月以内。
    (3)新たに役員に就任した者については、就任した日から1ヶ月以内。
    (4)同族会社以外の法人が、定期給与を支給しない役員に対して支給する給与は届出不要です。

    「事前確定届出給与」の支給時期
    役員にもボーナスを、という趣旨からすると盆暮れの2回を考えますが、時期や回数について特に税法上の規制はありません。
    また、戦略的に同制度を利用する場合には、決算期末の1回のみ支給する方法も採ることができます。

  • Q6. 使用人兼務役員に対する給与・賞与

    A6. 平成18年度の税制改正により、役員給与は、@定期同額給与、A.事前確定届出給与、B.利益連動給与、の3つを除き原則損金不算入となりました。(Bは基本、上場会社等のみ)
    但し、使用人兼務役員に支給する使用人部分の給与は、この規制の適用を受けないで済みます。

    使用人兼務役員とは
    「使用人兼務役員」とは、役員の地位と使用人としての“職制上の地位”とを併せ持っている者で、一定の要件に該当するものを言います。つまり、「××担当取締役」というのではなく、「取締役営業部長」や「取締役支店長」などのように、機構上定められた職制上の地位を有し、常時使用人として職務に従事している者で、次の者を除いたものをいいます。
    ㋐代表取締役、副社長、専務(常務)取締役、監査役の地位を有する役員
    ㋑非常勤役員
    ㋒同族会社の特定役員(その者の配偶者も含めて株式を5%超所有し、10%超所有する株主グループに属し、その株主グループが条件によって異なるある一定株数を所有する場合)

    また賞与についても同様ですがいくつかの要件があります。
    【要件1】 他の使用人と同じ支給時期に支給すること。
    【要件2】 他の使用人と比較して金額が適正であること。社内で比準者がいる場合は、「類似する職務に従事する使用人に対して支給する給与の額」を、比準者がいない場合は、「当該役員が役員になる前に受けていた賞与にその後のベースアップ等を加味し、若しくは使用人のうち最上位にある者への支給額等を参酌して適性に見積もった金額」と規定されています。

  • Q7. 勘定科目の判断

    A7. 勘定科目を分ける意味
    法律的には「法人税法施行規則」の別表で、使用する勘定科目の例示列挙がされ、「その業種、業態及び規模等の実情により」科目を分類することが求められています。
    しかし、税務調査の時に、勘定科目の使い方で指導されることはほとんどなく、調査官の関心は損金として認められるか否かにあります。
    従って、「勘定科目の判断」は、1.『経営管理上』どう分類すべきか、2.『経理の合理化』を図る上でどうあるべきか、を基準とすべきです。

    1.『経営管理上』
    貸借対照表や損益計算書を作成した時に、株主や経営者が会社の財政状態や経営成績を正確に把握できるよう、情報として正しく伝わる科目は何か。
    また試算表や推移表、予算と実績、期間比較表による経営分析を可能にするために「科目の同一性を保つこと」が必要です。
    最終的には、経営者が意識する勘定科目の分類と一致させることが理想ですが、それでも一般常識的な分類方法を優先すべきでしょう。
    もし、経理担当者の意識とかけ離れた科目の使用を強要すると、経理担当者の責任感の欠如につながり、内部統制のためにもある程度客観性のあるルールが必要です。

    2.『経理の合理化』
    経理は重要な業務ではあっても、直接利益は通常生みません。
    しかし、経理の合理化を図ることは、どの会社にとっても急務です。
    科目を細かく分類することは、比較検討する上で正確に情報を把握しやすくなるかもしれませんが、経理の合理化には反します。
    また、必要な情報を決算書の科目の中だけで把握する必要はなく、補助科目や摘要を利用すれば十分な場合もあります。
    従って、勘定科目には正確性よりも外観性を考慮すべきで、経営管理上の目的とのバランスをとりながら、効率性も追求することが重要なのです。

    勘定科目を分ける具体的な方向は?
    1.法律に基づく規制
    会社法(会社計算規則)や建設業、運送業、銀行業などの業界法に基づいて、最低限の規制がされている場合がありますので、その場合には、それに則した勘定科目を使用する必要があります。

    2.税法による規制
    前述のとおり、法人税法施行規則に具体的に使用すべき勘定科目が例示されています。そして、各種帳簿の記載事項について若干の定めがあります。
    また、製造業、建設業、運送業については、原価の内訳書(原価計算書)の作成が要請され、原価項目となる勘定科目を使用することになります。
    なお、接待交際費や試験研究費のように、税額控除等税法上の特典や規制を受けるために分類しておくべき勘定科目もあります。

    3.決算書作成のための分類
    貸借対照表では流動・固定等に区分し、損益計算書では「販売費及び一般管理費」に入れるべきか「営業外費用」に入れるべきかなど、使用する勘定科目も区分する必要が生じます。

    素朴な疑問「勘定科目の違い」
    経理を始めた頃に悩む項目を、具体的にご説明します。

    1.車両関連費(車両費)
    車両に使用するガソリン、修繕費、車検費用、自動車保険、高速代、駐車場代、自動車税等について処理する場合に用います。
    これは、特別に車両関連のコストを把握したい場合に設定するものです。
    それぞれ、「旅費交通費」「修繕費」「支払保険料」「租税公課」等の科目を用いて、「車両関連費」勘定は使用しない方法でも問題ありません。

    2.租税公課、法人税・住民税及び事業税
    『租税公課(公租公課)』は「販売費及び一般管理費」や「原価報告書」の「製造経費」の中に登場しますが、『法人税、住民税及び事業税』は損益計算書の最後、税引前当期純利益(損失)の次に登場します。
    これらは、税法上の経費(損金)になるか否かで分けるものではなく、会社が負担する税金の中でも利益に連動する税目として『法人税、住民税及び事業税』の3つだけを、税引前当期純利益から控除するかたちで損益計算書の最後に表示し、それ以外(例えば印紙税や税込経理の場合の消費税等)は全部『租税公課』として分類するのです。
    なお、以前は損金処理ができる事業税を『租税公課』に含めていた時代がありましたが、現在は法人税と同じ科目で処理することが要請され、『法人税等』と表示していたものも改められて、そのままの『法人税、住民税及び事業税』という科目を使用することになっています。

    3.接待交際費、会議費、福利厚生費
    税法上の接待交際費に該当する経費は、『接待交際費』で処理しなければならない訳ではなく、法人税の申告書の別表15では、様々な科目に分かれた「税法上の接待交際費」を拾い出すようなフォームになっています。
    つまり、法人税法では「すべての取引を勘定科目の種類別に分類」することが求められてはいるものの、ある費用をこの勘定科目でというような、具体的な規定はありません。
    しかし、税法上の接待交際費になる経費だけを接待交際費として処理し、税法上の接待交際費には含まれないものは、『会議費』や『福利厚生費』といった『接待交際費』以外の科目で処理しておく方が良いでしょう。
    税法上の接待交際費を抜き出す作業は決算時に行うのではなく、日々の作業の中でやっておくべきなのです。

    4.未払金、未払費用
    複式簿記を習ったことがある方は、企業会計原則注解5(経過勘定項目)に、
    「未払費用は・・・継続して役務の提供を受け・・・支払が終わらない・・・当期の費用・・・である。・・・かかる役務提供契約以外の・・・未払金とは区別しなければならない」
    という部分を勉強したことがあると思います。
    理論上は役務提供契約の形態によって異なることになるのですが、実務上は次のように割り切って使っているケースも多いのです。
    つまり、「費用になる未払いは未払費用」「それ以外の未払いが未払金」・・・。

  • Q8. 源泉所得税の『納期の特例』

    A8. 源泉所得税は、給与支給時に源泉所得税を徴収(天引き)して、翌月10日に納税するのが原則ですが、「給与等の支払いを受ける人の人数が常時10人未満」の場合に『納期の特例』を申請することができます。
    この特例を受けると、給与や退職金、士業の報酬の源泉所得税等について、その年の1月から6月までの分は7月10日、7月から12月までの分は翌年1月20日が、それぞれ納付期限となります。

    「納期の特例」が適用となる所得の種類は、「給与等」「退職所得」及び「士業の報酬料金等」です。
    従って、「外交員報酬」「デザイン料」「講演料」などの報酬料金は、1年に2回の「納期の特例」の制度はありませんので、給与等とは違った納付書の用紙を使って、支払月の翌月10日納付となりますので、ご注意下さい。

    期限後納付でもペナルティがない場合
    源泉所得税の納付書は、支給人員や支給額を記載する申告書を兼ねているため、期限後納付は期限後申告を意味し、(利息に相当する)延滞税とは別に“不納付加算税”が課されます。
    つまり、1日でも期限を過ぎると、その後遅れて自主納付しても納付税額の5%の不納付加算税が課されます。

    ただ、次の2つのケースでは、不納付加算税が課されないことになっています────

    1. 期限後となっても、その法定納期限から1ヶ月以内に納付し、更に法定納期限の前月までの過去1年間に源泉所得税の期限後納付や調査等で納税の告知を受けていない場合。

    2. 不納付加算税の金額が5千円未満の場合。
    また、(利息に相当する)延滞税については、納期限の翌日から2ヶ月以内は2.8%、それ以降は9.1%(いずれもH28中)で計算されます。但し、1,000円未満の延滞税は課されません。

  • Q9. “新設法人”特有の税務!

    A9. 新設法人特有の税務をまとめてみました…。

    税務当局への届出・申請手続き・・・!
    法人を設立すると、国(税務署)、都道府県、市町村に対し、設立関係書類の提出が必要となります。

    中でも重要なのは、
    (1)「青色申告の承認申請書」
    (2)「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」
    の2枚です。

    (1)は設立の日以後3ヶ月以内(但し、第1期の決算期末まで)という期限があり、(2)は申請日の翌々月から効力発生(申請時の給与の支給人員常時10人未満)という制約があるからです。


    資本金等による違い・・・!
    法人住民税(都道府県民税・市町村民税)の均等割の税率区分や法人税割の計算は、資本金等の額によって異なります。
    期中で増資や減資をする場合は、法人住民税の計算は“期末”の資本金等の額で決まりますので注意が必要です。
    (消費税についても資本金は要注意。)


    役員給与を決める(定期同額・事前確定)・・・!
    役員給与の損金算入(税法上の経費計上)が認められる要件の一つである「定期同額給与」については、役員報酬の額は原則として各支給月で同額となっていなければなりません。設立初年度でも同様で、そのスタートは設立の日から3ヶ月以内に役員報酬の額を決めなければなりません。
    先行き不透明な場合は、もう一つの役員給与である「事前確定届出給与」を活用することも。


    引継ぎ資産等の扱い・・・!
    法人成りに際して、個人所有資産を利用して法人が活動する場合は、個人から(1)買取り、(2)賃借、(3)無償使用(実費のみ負担)、などの形態を取る必要があります。
     

    消費税の免税特典を最大限利用・・・!
    新設法人の税務上の最大のメリットは、「設立後2年間は消費税の免税事業者(消費税について申告義務がない者)でいられること」と言われます。
    ただ、正確には“2年間”ではなく“2事業年度”であり、また、それも条件付きの上、例外もあります。
    まず、資本金1,000万円以上で設立された新設法人や、資本金1,000万円未満でも『特定新規設立法人※』に該当する場合は、消費税の納税義務は免除されないことになっています。
    【※新設開始日において5億円超の課税売上高がある者に支配されるなど一定の場合…】

    逆に、資本金1,000万円未満で設立した法人は、どんなに多額の売上をあげようと、少なくとも設立1期目の事業年度(課税期間)は、消費税の納税義務は免除されます。

    しかし、設立2期目については、「特定期間」の判定が必要です。これは、その直前期である設立1期目の事業年度の期首から6ヶ月間を「特定期間」と呼び、この期間の課税売上高が1,000万円を超え、かつ、その期間の給与等の支払額の合計額(賞与、役員報酬を含み、未払給与や出向負担金、通勤手当は含めず)が1,000万円を超える場合は、設立2期目における納税義務は免除されないのです。なお、この場合でも設立1期目の事業年度が7ヶ月以下の場合は、この判定が不要となっています。

     
    創立費や開業費の扱い・・・!
    創立費(設立登記費用など)や開業費(設立後実際に開業するまでの間に、その開業準備のために特別に支出する費用)については、次の処理が認められています。
    つまり、(1) 支出時に費用として計上、(2) 繰延資産として5年以内の期間で均等償却(月割)、(3) いったん繰延資産に計上して随時償却(任意に償却)が可能、 というもの…。

  • Q10. 補助金・助成金・融資について

    A10. 起業するにあたって、補助金等は賢く利用したいものです。

    厚生労働省や自治体、その外郭団体等も、新設法人向けの補助金・助成金の制度を設けていますが、予算が係わるため、募集期間が短期間のものもあります。
    その中で、いかにタイムリーに情報を収集できるかが重要です。

    必要な時に求める情報が入って来なかったり、知ったときには既に募集が終わっていたりという事態を避けるためにも、メルマガに登録したり、サイトを訪れる等して、普段からアンテナを張り、広く情報を集める必要があります。

    …例えばこんなサイトがあります…

    ◇横浜市 経済局
    ・事業者の皆様へ - 補助金・助成金
    http://www.city.yokohama.lg.jp/keizai/hojo/

    ◇公益財団法人 横浜企業経営支援財団 横浜中小企業支援センター
    ・新しい事業を始めたい
    http://www.idec.or.jp/kigyo/

    ◇中小機構 J-NET21 中小企業ビジネス支援サイト
    ・資金調達ナビ
    http://j-net21.smrj.go.jp/raise/index.html

    ◇厚生労働省
    ・各種助成金・奨励金等の制度
    http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/joseikin_shoureikin/

  • Q11. “振込手数料”はどちらが負担すべきか??

    A11. 事業をやっていると、必ず疑問に思うところです。また、聞かれることの多い質問の一つでもあります…。

    法律的には!?
    民法484条に、「弁済することになっている場所について別段の意思表示がないときは、・・・債権者の現時の住所において行わなければならない。」とあり、民法485条では、「弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は債務者が負担する。」とされています。
    つまり、債務者(代金や賃金の支払義務を有する購入者や雇い主)が振込手数料を負担すると一応規定されているのです。
    しかし、これらの条文中にある通り、「別段の意思表示」があればどのように支払っても、振込手数料を誰が負担しても構わないわけで、結局は双方がどのような契約で合意するかによります。

    商慣習では!?
    ところで、商慣習ではどうでしょうか。個人的見解ということで申し上げると、次のものは支払者が振込手数料を負担することが一般的でしょう。

    (1) 人件費(給与、専属外注の労賃)
    (2) 家賃や継続的なサービスの対価
    (3) 見積書、約款、契約書等で事前に手数料の負担に関する取り決め(条件提示)があるもの
    (4) 取引金額が僅少なもの

    もともと、(1)給与は労働基準法上も現金払いが原則であり、どちらかと言えば会社の都合で給与振込にしてきた経緯があるため、債務者たる使用者側が負担するのが一般的ですが、個々の労働者の同意と労使協定等があれば、振込手数料を差し引いて振込みすることも法律上は可能なのです。
    逆に、それ以外の取引は、本来集金に来てもらうことを前提とするならば、債権者の手間やコストを省くために負担する費用であることから、振込手数料を差し引いて(先方負担で)支払うことが慣習であると言えるでしょう。

    しかし、(4)金額が僅少なものまで差し引くのは“酷”だという理由で、取引金額が少ない場合は当方負担で振込む場合があります。
    ただし、3万円未満としているところ、3千円としているところなど、その基準は会社によってまちまちです。

    「振込手数料はご負担下さい」と書いてあったら?
    最近よく、請求書に「振込手数料はご負担下さい」と一方的に書かれてくる場合があります。
    取引の経緯にもよりますが、商慣習から言っても、請求書で一方的に手数料の負担を強いるのは問題なのに、その通り従ってしまうことも多いでしょう。

    結局、『言ったもの勝ち』、若しくは『差し引いたもの勝ち』となってしまっているというのも、正直なところでしょう。

    実費以上に手数料を引かれることが!?
    実際にかかった振込手数料以上に、例えば3万円以上は一律840円を差し引いて振込むところがあります。引かれて振込まれる方とすれば、「ずるい」と感じます。
    送金方法によって手数料が違うため、実際の振込手数料がいくらかかったかは、債権者には普通は分からないからという事情があるからでしょうが、手数料の少ない方法で振込んだのは支払者の企業努力だと言うこともできるでしょうし、また、ネットバンキング等を利用したりすると、月間手数料等の費用が別途かかっているのも事実で、良識的な範囲で行う必要があるでしょう。

  • Q12. 『領収書』がない・・・どうする?

    A12. 「領収書がない場合は、どうすれば良いのでしょうか?」とよく聞かれます。
    自動販売(券売)機で買ったから…、領収書をもらえる雰囲気ではなかったから…、紛失してしまったから…等々、理由はいろいろでしょう。

    『支払証明書』を作成!
    領収書がない場合は仕方ありません。
    支払証明書を作成しましょう。
    名称は何でもよく、用紙も決まりはありません。
    出金伝票を使っても、書式をつくっても、最悪メモ用紙を使っても構いません。
    そして、支払証明書には、日付・支払先・金額・内容等を書き、支払いをした者が署名するか押印します。
    慶弔関係では、招待状等を一緒に添付して保存します。

    領収書が無くて税務署は許してくれるのか?
    結局は事実認定の問題です。
    作成された支払証明書が、どの程度信憑(しんぴょう)性があるのかを、調査官は見ています。
    作成者、内容、金額、頻度、内部牽制の程度、調査時の様子等々を見て、その信憑性を探ってきます。
    従って、その金額を実際に支出し、業務遂行上必要であり、領収書がないことに合理性があれば、何も臆することはないのです。
    ただ、消費税について、原則課税で申告している者は、旅費・運賃等以外の領収書等のない3万円以上の支払いについては、支払った相手方の住所まで帳簿等に記載することが、税額控除の要件となっていますので、注意が必要です。

    こちらもご覧ください ⇒ 法人税務コラム「領収書の保存方法は?」

  • Q13. 役員との取引 (貸付金・借入金)!

    A13. 役員個人と会社間の金銭の貸し借りについては、会社法や税務上などいろいろ注意が必要です。

    「役員からの借入金」・・・!
    個人が法人に資金を貸し付けた場合、不相当に高額な利息でなければ、支払った利息を法人の経費に計上し、個人で(雑所得として)確定申告していれば問題ありません。
    また、“利益追求団体”である法人とは異なり、個人はボランティア(無償奉仕)をしても構わないので、個人の貸付けについて法人として利息を支払わなくても問題はありません。

    最近は、給与に係る社会保険料負担も大きいことから、“利息”は(原則として)社会保険料がかからないので、資金を提供している役員にキチンと利息を計算して支払うケースも増えてきています。

    なお、税務調査の際、借入金自体「不正資金の還流」ではと疑われ、(実はそれは口実で…!?)
    個人の通帳まで見せなければならなくなるケースもありますので、注意が必要です。

    「役員への貸付金」・・・!
    法人が無利息又は低率で金銭の貸付けをした場合は、“通常収受すべき利息”と“実際に徴収した利息”の差額が「経済的利益」となり、その金額の分だけ実質的に役員給与を支給したことになります。

    なお、前々年から前年にかけての銀行の貸出金利をもとに決定される「特例基準割合による利率」が、現在は1.8%となっており、この利率以上で貸付けが行われていれば、原則として給与課税されません。

    また、利息がこの利率より低い場合であっても ───
    (1)災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった場合
    (2)会社の平均調達金利などから合理的な貸付利率を定めた場合
    (3)経済的利益の額が年5,000円以下である場合
    ─── は、給与課税されません。

    但し、貸付け資金を銀行などから借り入れている場合には、その借入利率を基準として計算しなければなりません。

    さて、会社としては、役員への貸付金が残っている限り、利息相当額を収益(雑収入)に計上するか、経済的利益に対し役員給与として課税する必要があります。

    前者の場合には、利息相当額を未収金に残すことも可能です。
    この場合、特に規定がないので貸付金については単利計算(利息には利息をつけない計算)でも構いません。
    また、積もり積もった未収金を貸付金と一緒に、将来の退職金等で精算することも考えられますが、長期にわたるとあまり健全な処理とは言えません。
    そもそも、役員への貸付金は、資金を提供する金融機関からすると、資金の横流し(流用)となり、資金使途の説明と早期の解消が求められます。

    後者の役員給与として処理する方法(調査後に役員給与と認定された場合も含め)では、返済額が毎月著しく変動するものでなければ、返済によって経済的利益の額が毎月逓減するなど一定していないものについても、定期同額給与として認められることになっています。
    但し、取締役会等で各人ごとの定期同額給与の額が定められている場合には、形式基準として上限が設けられていることにもなりますので、(それに対処するにはテクニックが必要となりますが)注意が必要です。

    会社法上の注意点・・・!
    会社法では、取締役が会社に利息付きで金銭を貸付ける行為、及び、会社が取締役に金銭を貸付ける行為は、“利益相反取引”として株主総会(取締役会設置会社においては取締役会)において、重要な事実を開示して、その承認を受ける必要があるとされています。

  • Q14. 印鑑の種類について

    A14. 法人で使用する印鑑は3種類あります。

    1.『実印』
    「代表者印」とも言い、法務局(登記所)に届けている印鑑です。サイズについての決まりはあっても、記載内容や形についての制限はありません。一般企業では丸い大きな印影のものが一般的です。使用するのは銀行口座を開設する時や不動産等の売買の時くらいで、使用の頻度は高くありません。とはいえ、印面が欠けてしまうと登記をやり直さなければならず、他の印鑑と兼用にしてたびたび持ち出すようなことは避けた方が良いでしょう。

    2.『銀行印』
    「実印」を気軽に持ち出せないとか、「実印」が欠けるのを恐れて、銀行取引用には実印より一回り小さめの丸印を作って使うことも多いようです。『〜銀行之印』と印面に彫ってしまうと、銀行以外で使用することができなくなりますので、実印よりはやや小さめの、読みやすい字体の代表者印にするのがおすすめです。

    3.『角印』
    「社印」とも呼ばれ、通常正方形の印鑑が使われます。必ず必要なものではありませんが、請求書や領収書などに頻繁に押印することになるので、スタンプ台不要の浸透印を使用したり、最初から印刷したりする場合もあります。
    但し、角印は法人の印なので、代表者個人名が書かれているものには通常使用しません。